
「朝から晩まで、時間に追われてクタクタ…」
「もっと一人ひとりの利用者さんと、じっくり向き合いたいのに…」
「このままずっと、同じ組織で働き続けるのかな…?」
毎日、目の前の業務に追われる中で、ふとこんな風に感じたことはありませんか?
リハビリ職としての情熱はある。でも、今の働き方が自分に合っているのか、時々分からなくなる。その気持ち、かつての私にも覚えがあります。
こんにちは。私も皆さんと同じように、組織の中で働きながら「自分らしい働き方はないだろうか」と模索していた一人の療法士です。
もしあなたが、「自分のペースで、もっと自由に働いてみたい」と少しでも思うなら、ぜひこの先を読み進めてみてください。
今日は、病院や施設に所属する以外の新しい選択肢、「フリーランス」や「業務委託」という働き方について、そのリアルな実態、メリット・デメリット、そして最初の一歩を、分かりやすくお話ししていきます。
そもそも「フリーランス」「業務委託」って何が違うの?

言葉は聞いたことがあっても、具体的な違いはよく分からない、という方も多いかもしれません。まずは基本から押さえましょう。
簡単に言うと、どちらも会社に「雇用」されるのではなく、個人として対等な立場で仕事を引き受ける働き方です。
働き方 | 特徴 | メリット例 | デメリット例 |
---|---|---|---|
会社員 | 会社と雇用契約を結ぶ。 労働時間や場所が決められている。 | 収入が安定、福利厚生や社会保障が手厚い | 時間や場所の自由度が低い、組織のルールに従う必要 |
フリーランス・業務委託 | 企業や個人と業務委託契約を結ぶ。 仕事の進め方や時間配分は基本的に自由。 | 働く時間や場所が自由、収入アップの可能性 | 収入が不安定、保障がない、事務作業も自分で行う |
「フリーランス」は、特定の組織に属さず、複数のクライアント(訪問看護ステーション、デイサービス、個人など)と契約して働く、より自由度の高い個人事業主のイメージです。
一方で「業務委託」は、フリーランスという大きな括りの中の一つの契約形態です。例えば、「A訪問看護ステーションの、毎週火曜日の訪問リハビリ業務を請け負う」といった契約を結ぶ働き方を指すことが多いです。
まずはこの「雇用されずに、自分のスキルで働く」という大きな違いを理解しておけばOKです!
【光と影】フリーランスという働き方のリアルな実態
「自由で、好きな時間に働けて、高収入!」なんて、良いイメージばかりが先行しがちですが、現実はそんなに甘くありません。ここで、包み隠さず「光」と「影」の両面をお伝えします。
メリット(光の部分)
- 圧倒的な時間の自由: 「平日の午前中だけ働く」「週4日勤務にして、1日は自己研鑽に充てる」など、ライフスタイルに合わせて働き方をデザインできます。
- 収入アップの可能性: 自分のスキルや経験が直接収入に反映されます。交渉次第では、会社員時代よりも高い収入を得ることも夢ではありません。
- 専門性の追求: 組織の方針に関係なく、「自費でのパーソナルトレーニング」「小児専門の訪問リハビリ」など、自分が本当にやりたい分野に特化できます。
- 人間関係のストレス軽減: 苦手な上司や同僚との付き合いから解放され、自分で仕事相手を選べるようになります。
デメリット(影の部分)
- 収入の不安定さ: 当然ですが、仕事がなければ収入はゼロ。常に仕事を獲得するための「営業活動」が必要になります。体調を崩して休めば、その分収入は直接減ります。
- 孤独と自己責任: 技術的な相談ができる同僚や、悩みを打ち明けられる上司はいません。全ての判断と責任を、自分一人で負う覚悟が必要です。
- 面倒な事務作業の山: リハビリ業務以外に、請求書の発行、経費の計算、そして年に一度の「確定申告」など、全て自分で行わなければなりません。
- 社会的信用の壁: 会社員に比べて、クレジットカードの審査や住宅ローンの審査が通りにくくなるという現実的な問題もあります。
私にもできる?フリーランスへの最初の一歩
「やっぱり大変そう…でも、挑戦してみたいかも」。そう感じたあなたへ。いきなり会社を辞めるのは無謀です。まずは、リスクを抑えながら準備を進めるための3ステップをご紹介します。
ステップ1:自分の「売り」は何か?スキルの棚卸し
まずはノートとペンを用意して、自分に何ができるのかを書き出してみましょう。
「脳卒中後の上肢アプローチなら自信がある」
「高齢者の転倒予防に関する知識が豊富だ」
「子どもと関わるのが得意で、保護者とのコミュニケーションも苦にならない」
大切なのは、「自分は誰に、どんな価値を提供できるのか」という「自分の売り」を明確にすることです。これが、あなたの名刺代わりになります。
ステップ2:情報収集と「横のつながり」づくり
次に、外の世界に目を向けましょう。
興味のある分野の勉強会やセミナーに顔を出し、すでにフリーランスとして活動している先輩療法士の話を聞いてみるのが一番の近道です。SNSで発信している人に、勇気を出してメッセージを送ってみるのも良いでしょう。リアルな情報や、人との繋がりが、未来のあなたを助けてくれます。
ステップ3:まずは「副業」から小さく試してみる
今の職場に勤めながら、週末だけ業務委託で訪問リハビリの仕事をしてみる、単発のセミナー講師を請け負ってみるなど、まずは「副業」として小さく始めてみることを強くお勧めします。
実際にやってみることで、「自分にこの働き方が合っているか」「どんなスキルが足りないか」が見えてきます。ここで得た経験と自信が、本格的に独立する際の大きな武器になるのです。(※職場の就業規則で副業が禁止されていないか、必ず確認してくださいね)
最後に:「どこで働くか」より「どう働きたいか」
フリーランスや業務委託は、数ある働き方の中の一つの選択肢に過ぎません。組織で働くことが向いている人もいれば、一人で働く方が輝ける人もいます。
一番大切なのは、周りに流されるのではなく、
「自分はどんな人生を送りたいのか」
「何を大切にして働きたいのか」
という“自分軸”でキャリアを考えることです。
この記事が、あなたの働き方を見つめ直し、新しい一歩を踏み出すための小さなきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。
あなたの未来が、あなたらしく輝くものであることを、心から願っています。
コメント